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Journaling Club for Professional Coach」トライアル前半

 いま、佐藤草さんが開催されている「Journaling Club for Professional Coach」のトライアルにて、ジャーナルを書くこととコーチングについて向き合う時間をとっている。


その前半が過ぎようとしているので、一度振り返りのジャーナルをここに残す。




初めのテーマは

「自分にとってコーチングとは何か?」

「自分がコーチングにおいて、果たしている役割」

というものであった。


これまで何度か別の講座内でも向き合うことがあったこの問いであるが、

今回のジャーナルで書いていく体験は、全く別物になったように感じている。


このテーマを書くために、大きく分けて3稿(3回の書き直し)書くことになった。

(これは書き直しを求められたということではなく、あくまで自主的に。気持ちを新たにするために分けて書いた)


まず一稿目では、これまで見たり聞いたり使ったりしている単語がよく並んだ。

それは、良くも悪くもコーチングを習うと目にする言葉であり、パッと伝わりやすいように一般化された言葉が多いものになった。

これを、コーチングを習いたての自分が書いてもこうなるかもしれない、また別の人が書いてもこうなるかもしれないといった「要約と一般化された言葉」というようなフィードバックをもらった。

自分のなかで揉んで抽出した言葉ではあったが、たしかにそう思えた。


ここで勧められたのが、「より自分自身の体験に戻り、そこを詳細に表現してみること。この考えに至ったプロセスを言葉にしてみること」だった。

これがぼくにとっては難題で、知識としての組み立てはうまく表現できたが、自分の感覚を追いなおすことが苦手に思えた。遠い記憶のような、夢のような、体験したことではあるが、体感としての実感が乏しかったのだ。


しかし、ここはなんとか食らいつこうと、書き直したのが第2稿だった。


まずやってみたのは、「コーチング」というものから感じていることの小さな糸をつかんでみることだった。



「ぼくにとってコーチングは、ハイな状態ではよくないなと思っている。

それは、人と対峙するというときの緊張や見栄ができるだけ少なく、

時間に追われず、穏やかに深く自己探求することを好むからである。」


本文より

そんな糸端を手繰り寄せながら書き進めていった。


そうすると、第1稿に比べ、自分の「感情」が出てくるようになってきた。

多少乱暴な部分もあるが、「要約・一般化」されたものに比べ、粗いけど自分の言葉で話しているのが第2稿だ。


ただ、これは途中で止めてしまった。体験からの情報が、少ないと気づいたからだ。


このテーマと向き合うために、ぼくは何度となく「テーマ」と「フィードバック」と「ポイント」を読み返した。何度も何度も、繰り返し。

自分の思考は、良くも悪くも流れやすいほうに広がりやすい。ふと気づくとやりやすい方に楽な方に流れている。

なので、そこにいかりを下ろすように、コンパスを見直すように、方向性を確認していた。

そうすることで、自分の苦手と感じていた「過去の体感」を少しずつ手繰り寄せられるようになっていった。

脳がぎゅっとなる。きっと止めたら楽になる。けど、その先を感じたい。自分を諦めたくない。

そんな想いが強まったり弱まったりしながら、第3稿を進めていった。


体感から手繰り寄せられた(何度か出ている表現だけど、ほんとそんなかんじ。)言葉たちは、第1稿とはまるで違っていた。

そこにあるのは、自分の感覚の上にある、自分のための知覚。自分だけの言葉があった。

小さくてもいい。あたりまえでなくてもいい。自分の体験体感から表れた言葉が紡ぎ出されるとき、嬉しさとともに自信が問われる思いを感じた。


でも、それは宝物だった。自分から生まれた、自分の為の宝物。


そうしていくうちに、自分の願いやコーチングに対する他の感覚が織り交ざりながら、さらに言葉は綴られていった。


「筋トレのように言葉をつむぐ」


そんなアドバイスが共有されたこともあり、ぼくはさらに粘ってみようと思った。

現れた言葉に対し、すべてに「具体化してみると」と続けてみた。

そうすると、過去の体験から手繰り寄せられた言葉に対し、さらに体感が強化され、根が深くなる。


いや、深くなるのではなく、根が深くあったことに気づいていくことなのかもしれない。「あぁ、自分にはこんなものがもうあったんだ」。新たにできたものではない。すでに自分に在るものを、感じられたのかもしれない。深まったのではなく、体感をもって、意識できたのかもしれない。


時間は多少かかった。繰り返し読み返しては、付け足したり言い直したり、テーマを読み返したりしていた。アドバイスにもあったように、抽象と具象を何度も行き来していたと思う。その行き来はとても大事だ。

それは、捉えられ方がそれぞれ違うからだと感じている。例えば構想を描いて実物をみるような…まだあんまりイメージ固まっていなかった笑。


でもそうして書き綴られ出てきたものは、既に自分の中に在ったものだった。ジャーナルで書き出されたものは、自分。

それを繰り返し目にし、耳にし、吸収する。それはまた自分の中でエネルギーになり、再び書き出す。

時間をかけてもいい。また対面のコーチングセッションより表面的な影響が少ない分、自分との対話が増える。ただフィードバックは文字として残り、より強く、相手に響くだろう。そこに真剣なやりとりがある。

1人で行うのではなく、サポートしてくれる存在がいるという状況での取り組み。それが単なる日記とは、違う領域にいくのだろう。


その静かで、強くて、自分の土を耕しなおすようなこの取り組みを過ごした後、その土に何が起こり、何を育んでいけるようになっているのか。

まずは前半を終えての所感をここに残す。


(向き合った内容については、しばらく自身で味わった後、公にしたいなと思っています。)

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